休業損害とは、交通事故によって入院や通院のため仕事ができなかったことにより得られなかった収入ののことです。
<休業損害の計算式>
1日当たりの収入×休業日数
1. 給与所得者
給与所得者の場合は、保険会社が提示する休業損害の基準は、実際の損害額とは異なり、実際よりも低く見積もった金額を提示してくることがあります。しかし、裁判所の基準では、現実の収入に近い金額が認められます。
2. 専業主婦
専業主婦の場合は、保険会社は独自の基準で、1日当たりの収入を6,000円程度として、入院日数や通院日数を掛けた金額を提示してきます。
しかし、裁判所の基準では、厚生労働省の「賃金センサス」をもとに女子労働者の1日あたりの賃金を算定しますので、1日あたりの収入は9,000円以上となります。また、入院ないし通院した日に限らず、ケガのために家事労働に従事できなかった期間について計算されますので、保険会社の基準より高くなります。
入通院慰謝料とは、事故によって被害者が受けた精神的・肉体的苦痛に対して支払われるお金のことです。入通院慰謝料は、治療期間や入院ないし通院期間により算定されます。
【参考例】
交通事故により足を負傷、入院2か月、通院期間3か月の場合
<入通院慰謝料>
※裁判所の基準は、日弁連交通事故相談センターが作成している「民事交通訴訟・損害賠償額算定基準」通称『赤本』を元に算定しています。治療期間や入院ないし通院期間により、入院1か月・通院2か月なら、98万円、入院1か月・通院3か月なら115万円・・・というように、定額化されています。