死亡事故

 ご家族が死亡事故に遭われた場合、被害者自身の損害賠償請求権は、被害者の遺族が相続し、請求することになります。ご家族を突然の交通事故で亡くされた方のご心痛は、はかり知れません。


 そのような悲しみの中で、保険会社と示談交渉をすることは、大変な苦痛であると思います。特に死亡事故においては、交渉すべき損害項目も多くなり、死亡による逸失利益や慰謝料は非常に高額になるため、保険会社が少しでも減額しようとすることに、さらなる悲しみや怒りを覚えるご遺族も多いようです。


 保険会社から提示された金額について、示談する前に弁護士に相談することをお勧めします。

 

死亡事故による逸失利益

<死亡事故の逸失利益の計算式>

   年収×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

 

 死亡事故の場合は、被害者が生きていれば要したであろう年間生活費の相当分を年収から控除して逸失利益を算出します。

 

 

 【計算例】

 年収500万円、40歳のサラリーマンが、交通事故により死亡した場合

  • 家族構成:妻と子供2人
  • 生活費控除率:一家の支柱、被扶養者2人以上のため30%
  • 就労可能年数:27年(67歳ー40歳)に対応するライプニッツ係数→14.643

   

     500万円×(1-0.3)×14.643=51,250,500円

 

   この場合の死亡逸失利益は、5,125万500円になります。

 

 ※生活費控除率は、裁判所の基準で、一家の支柱30~40%、女性30%、男性50%が

  目安とされています。

 ※就労可能年数は、原則として67歳まで、67歳を超える者は統計平均余命の2分の1とされます。

 

 

死亡慰謝料

 死亡慰謝料の金額は、被害者が一家の支柱、母親・配偶者、その他などいずれの立場であるかによって、算出されます。


 被害者の立場  死亡慰謝料 (裁判所基準)

一家の支柱の場合

 2,800万円 

母親・配偶者の場合

 2,400万円

その他の場合

2,000~2,200万円

 

※これに対し、保険会社の基準では、一家の支柱で1,500万円程度、それ以外で1,000~1,300万円程度など、裁判所の基準に比べて低い金額が提示されることが多いです。 

 

葬儀関係費

  通夜、告別式、祭壇に要した費用などが請求できます。実際の裁判では、原則として150万円に限り、損害として認められ、これを下回る場合は実際に支出した額となります。

これに対し、保険会社の基準では、自賠責保険の基準である60万円よりも若干高い金額が提示されることが多いようです。 

 

 

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