相続税の基礎知識

1 相続税とは 

相続税とは、相続や相続開始前3年以内の贈与などで、利益を受けた人に課される税金です。

相続税は、相続時の財産から基礎控除額を差し引いた後の財産額にかかります。

そもそも相続財産が基礎控除額を超えない場合には、相続税はかからないので、相続税の課税対象になる方は、全体の一部の方です。

  

2 相続税制の改正 

平成25年税制改正により、相続税の基礎控除が大幅に引き下げられ、平成27年1月1日以降に亡くなった方の相続に適用されます。

この改正により、基礎控除額が従前より4割引き下げられることになり、今までなら相続税がかからなかった方でも相続税の課税対象になるケースが大幅に増加しました。

 

改正前の相続税基礎控除

(平成26年12月31日まで)

現行の相続税基礎控除    

(平成27年1月1日以降)   

   

5000万円1000万円×法定相続人の数

 

  

3000万円600万円×法定相続人の数

 

 

3 具体例

 例えば、父、母、子供2人の4人家族で、父が亡くなった場合、法定相続人は3人であり、改正前の制度では、基礎控除額は5000万円+1000万円×3人=8000万円ということになり、相続財産が8000万円を超えた部分が相続税の課税対象となっていました。

 

しかし、改正後の現行制度では、基礎控除額は3000万円+600万円×3人=4800万円となり、相続財産が4800万円を超える部分が相続税の課税対象となります。 

 

 

弁護士からのアドバイス

上記の相続税制の改正により、相続税の課税対象となる方が増えています。

 

相続税の支払いをする必要がある場合、相続税の支払期限は、相続の開始があったことを知った日(=被相続人の死亡したことを知った日)の翌日から10か月以内です。

 

遺産分割協議が成立していないケースでは、被相続人(=亡くなった方)の預貯金の払い戻しが事実上できませんので、多額の相続税をご自身で支払わなければならないことがあります。

 

被相続人の死亡後すみやかに相続財産の調査を行い、その後の遺産分割協議をスムーズに進めることができれば、相続財産の中から相続税を支払うことも可能な場合もありますので、相続税の支払いが想定される場合は、お早めに弁護士にご相談ください。 

 


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